マーケットレポート

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「マーケットの最前線」

2020年1月14日

第211回 「大きなクラッシュには巻き込まれることなく市場からの利益を手にするには!?」石原順

石原順 石原順

  • FRBのバランスシート拡大が演出するメルトアップ相場

    2019年に上昇ラリーを記録した米国株であるが、ここまでのところイラン情勢の悪化もなんのその、2020年も上昇基調が続いている。果たしてこの強気相場は2020年にどう展開していくのだろうか。まずはFRBのバランスシートの拡大から、強気相場の賞味期限を探ってみよう。

    ゼロヘッジの記事「Morgan Stanley Sees Melt-Up Lasting Until April, After Which Markets Will "Confront World With No Fed Support"(モーガンスタンレーは、相場の上昇は4月まで続き、その後、市場は「FRBのサポートがない世界に直面」するだろうと見ている)」によると、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは、今後数週間において何かしらの大きな変化がなければ、S&P500は3月3日までに3333に達するという見通しを述べたと言う。

    また、モルガンスタンレーは、FRBによる「NOT QE」が少なくとも第2四半期まで続くとして、株価は4月か5月まで上昇すると予想している。

    ●株価は4月か5月まで上昇する!?(モルガンスタンレー予想)
    上段:S&P500の推移(週間)・下段:FRBのバランスシートの変化(週間)
    ①WeeklyChange SP500 20200114.jpg
    出所 : ゼロヘッジ

    上記グラフにあるように、その「NOT QE」が昨年10月に始まって以来、FRBのバランスシートはほぼ毎週増加しており、その動きと歩を同じくしS&P500は上昇している。11月中旬にバランスシートが減少した際には、S&P500も下落した。この相関関係を見れば、FRBのバランスシートが拡大している限りは、S&P500も上昇を続けることになりそうだ。では、「NOT QE」が切れる第3四半期以降はどうなっていくのか。前述の記事には以下の記載がある。

    2018年に経験したことだが、少なくとも20%の弱気市場は、FRBメンバー全員のタカ派感情を押しつぶすには十分すぎる。米国だけでなく世界中で完全な政策転換を強制する。これはトランプが市場の下落をFRBの過失として非難を強める選挙の年にはさらに顕著となる。結局のところ、経済は今や市場自体であり、ありふれた弱気市場は景気後退を確実にするが、過去10年間の中央銀行の過剰を一掃するような市場のクラッシュは世界最大の不況をもたらすだろう。そのような「市場イベント」は大きな社会的および政治的激変が起こらない限り起きないであろう。

    いまやFRBはシングルマンデートに基づいて政策運営を行っていると言っても良いだろう。シングルマンデート、つまりそれは株価である。特に大統領選挙を控えた今年、トランプにとって株価は重要な生命線となる。第3四半期以降にもし株価が調整するような局面があれば、FRBに対するトランプからの圧力はさらに強くなるだろう。金融緩和をやめてしまえばどのような事態が待っているのか、チェックアウト出来ないことを一番よく知っているのは中央銀行自身なのである。


    記録的な上昇相場の後には何が起こるのか?

    記録的な上昇が起きた後にはマーケットはどう動いてきたのか。上がったものは下がるというのが自然の摂理である。ゼロヘッジの記事「30% Up Years - Should You Sell It?(30%上昇した年に売るべきか?)」から、過去の相場の「経済回復の長さ」と「回復の後に続く収縮」と言う観点で確認してみる。

    以下のチャートは、不況後の経済回復が何ヶ月継続したかを1879年からたどったものである。これによると、1879年以降、経済の回復は29回あり、回復が継続した平均の月数は42ヶ月であった。これに対して、現在の経済回復は126ヶ月継続しており、現在よりも長く続いた経済の回復は前例がない。また経済回復が60ヶ月以上継続した割合は20.6%だった。


    ●現在の経済回復は126ヶ月継続しており、現在よりも長く続いた経済の回復は前例がない
    ②現在の経済回復は 20200114.png
    出所 : ゼロヘッジ

    続いてのチャートは、経済回復に続く市場の収縮(調整)がどの程度続いたのかを示したものである。前述したように回復と拡大には収縮(調整)が必然的につきまとう。収縮(調整)の平均月数は14ヶ月で、これら全ての収縮(調整)期間の平均市場下落率はマイナス29.13%、そのうち、トップ7の経済回復の後におきた市場の収縮(調整)は平均でマイナス36%だった。


    ●経済回復に続く市場の収縮(調整)期間
    ③経済回復に続く市場の収縮 20200114.png
    出所 : ゼロヘッジ

    足元でS&P500指数は3200近辺で推移している。これに上記平均収縮(調整)率のマイナス36%を当てはめると2048、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが指摘しているように3300台まで上昇したとすれば2112となる。次の調整がおきた場合は2000ポイント台前半まで指数は調整を余儀なくされそうだ。

    では、そうした収縮(調整)に巻き込まれずに売るとしたら目安はどこになるのだろうか。

    ●S&P500の年足チャート(グレーの線)と、3年間の平均リターン(オレンジの線)
    ④SP500年足 20200114.png
    出所 : ゼロヘッジ

    上記チャートはS&P500の年足チャート(グレーの線)と、3年間の平均リターン(オレンジの線)である。3年間の平均リターンがプラス10%に達したところで売って、マイナス10%を割り込んだところで買うということを繰り返せば、循環的には利益を確保でき、大きなクラッシュに巻き込まれることなく市場からの利益という果実を手にすることができそうだ。


    ラリー・ウィリアムズのS&P500と日経平均予測

    ●ラリー・ウィリアムズのS&P500予測
    ⑤LW  SP500予測 20200114.png
    出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)2020年1月14日 ラリー・ウィリアムズおよび国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載。有料レポートのため、チャートおよび文章の一部を隠しています。

    先週はトランプのマッチポンプ的なツイートで、大荒れの1週間だった。ラリーは、「先週のレッスンは、"全てのテクニカル分析はトランプのツィートで台無しになる"と言うことです。戦争のニュースが流れて大きく下げ、その後、一気に買い戻されて上昇しました。実際のスイングをチャート上に表示しました。どれだけ荒れていたか、より理解できるでしょう。短期的な動きは下げですが、おそらく、下げ、反発、そして下げになると思います。この戻りが売りポイントになります。●曜に大きく下げから、"反転の●曜日"に反発しても不思議ではなく、その場合は●曜日に売りシグナルを探します。先週、株式市場の分析を解説しましたが、サイクルフォーキャストはネガティブです。なにも変わっていませんので、ショートから仕掛けていきます。

    日経平均については、「先週、とてもワイルドなマーケットでした。一気に上げてから、一気に下げてきていました。そして、再び上げてきましたが、金曜日に売られていました。赤線はシーズナルパターンですが、日経平均は下降すると示しています。紫線はフォーキャストラインの一つで、同じく下降を示唆しています。影響力を持っている●●先物市場はやはり下げると示しています。先週、大きく反発していましたが、この市場では売りシグナルを探しています。」と述べている。


    ●ラリー・ウィリアムズの日経平均予測
    ⑥LW 日経平均予測 20200114.png
    出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)2020年1月14日 ラリー・ウィリアムズおよび国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載。有料レポートのため、チャートおよび文章の一部を隠しています。



    石原順 プロフィール
    1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のデーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。
    相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。


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