マーケットレポート

プロの視点からわかりやすいレポートを提供します。

「マーケットの最前線」

2019年9月17日

第194回「一目でわかる米国の景気拡大縮小シグナルとラリー・ウィリアムズの日経平均予測」石原順

石原順 石原順

  • ガンドラック:2020年の大統領選挙前にリセッションになる確率は75%

    9月12日のゼロヘッジの記事を読むと、債券王ジェフリー・ガンドラックは「2020年の大統領選挙前にリセッションになる確率は75%」と、述べている。興味深いのは、「逆イールド曲線は景気後退の兆候を示す最良の指標でない。反転は発生し、その後消える」と述べている。景気後退は、イールドカーブが逆イールドから順イールドに戻る過程で起こる現象である。


    読者の皆さんは、
    https://stockcharts.com/freecharts/yieldcurve.php
    にアクセスして、イールドカーブの形状と株価の推移をチェックしていただきたい。


    ●米国のイールドカーブ(左)とS&P500の推移
    ①米国イールドカーブ 20190917.png
    出所:ストックチャーツ

    Thu, 09/12/2019  zerohedge

    DoubleLine CEO Jeff Gundlach sees a 75% chance of a US recession before the 2020 election.
    https://www.zerohedge.com/economics/gundlach-75-odds-us-recession-2020-election


    Speaking at a London event this week, the billionaire money manager reiterated his August outlook, telling the audience "We should be on recession watch before the 2020 election," adding "We're getting closer but we're not there yet."

    ダブルラインCEOのジェフ・ガンドラックは、2020年の選挙の前までに米国が景気後退に入る可能性が75%と見ている。今週、ロンドンのイベントで講演した億万長者のマネーマネージャーは、「2020年の選挙前の景気後退に注意を払うべき」と述べ、「近づいてきたが、まだそこにはいない」と付け加えた。

    According to Gundlach, an inverted yield curve is not the best indicator of a recession - "It's the inversion occurring and then going away."
    He's also neutral on gold following its latest run.

    ガンドラックによると、逆イールド曲線は景気後退の兆候を示す最良の指標でない「反転は発生し、その後消える」と。また、彼は金については中立とした。

    In his June public webcast, he predicted a 45% chance of recession by the end of the year amid the US-China trade war, while in August, Gundlach said that the yield curve looks "full-on recessionary" and "a lot like 2007."

    6月に公開されたウェブキャストで、彼は米中貿易戦争がある中で、年末までに45%の不況の可能性を予測した。一方で8月には、イールドカーブは完全な不況を示していると語り、まるで2007年のようだ。」と。

    "There's no way to sugar coat it," he told Yahoo Finance, "When you have a 40 basis point inversion, well, then that usually leads to a problem."
    Gundlach added that we will probably start seeing the yield curve steepen, but that wouldn't necessarily be a good sign.

    ヤフーファイナンスのインタビューで彼は「それを取り繕う方法はない」と語った。「40ベーシス・ポイントの逆転があると、それは通常問題につながる。」
    ガンドラックは、イールドカーブが急勾配になる可能性が高いと付け加えたが、それは必ずしも良い兆候とは限らない。

    "That would almost seal the fate of recession coming," he said. "It's not so much the inversion -- the inversion is a warning that there's one coming. But, you start to get in the imminence category once it first starts steepening out from the inversion, because, by then, the Fed has realized it's behind the curve, the market knows it too, and everybody knows the Fed's going to be slashing interest rates." -Yahoo Finance

    「それは、来る不況の運命をほぼ決めるだろう」と彼は言った。「それほど大きな逆転ではありません。逆転は1つが来るという警告に過ぎない。しかし、それが逆転してから次に急に立ち上がり始めると、差し迫ったカテゴリーに入る。なぜなら、Fedはそれまでにその背景に気づき、市場もそれを知っており、誰もがFedが金利を大幅に引き下げることを知っている。」―ヤフーファイナンスから

    Gundlach's forecast is roughly in line with The New York Fed:

    ガンドラックの予想はほぼNY連銀の見通しに沿っている

    ●NY連銀のリセッション確率
    ②NY連銀リセッション確率.jpg
    Source: Bloomberg

    Meanwhile, billionaire investor and founder of Bridgewater Associates, Ray Dalio, sees a 25% chance of recession through 2020, telling Bloomberg last week that central banks will be limited in their ability to avert it. He also loves gold, and says it could be gearing up for a big decade of returns.

    一方、ブリッジウォーターの創業者であるレイ・ダリオは、2020年までにリセッションに陥る可能性は25%と見ており、中央銀行にはそれを回避する能力が制限されると指摘した。また、彼は金を好んでおり、金は大きな10年のリターンに向けて準備を整えているかもしれないと述べた。

    Dalio thinks there are four factors that will affect the severity of the downturn, via Business Insider.

    ビジネスインサイダーによると、ダリオは景気後退の深刻さに影響する4つの要因があると考えている。

    • Effectiveness of central-bank policies
     中央銀行の政策の有効性

    • The wealth gap, which will affect how the next recession will look "socially, politically, and so on"
     富の格差、これは、次の不況が「社会的、政治的」にどのように見えるかに影響する

    • The 2020 elections, which he called "an issue between capitalists and socialists, or the rich and the poor"
     2020年の大統領選挙、彼は「資本主義者と社会主義者、または富裕層と貧困層の問題」と呼んだ

    • The emergence of China in relation to the US
     米国に関連した中国の出方

    According to Dalio, central banks worldwide "have to face the fact that when the next downturn comes there will not be the power to reverse it in the same way," and recommends that the Fed cut interest rates slowly and by small increments.

    Dalioによると、世界中の中央銀行は「次の不況が来たとき、同じようにそれを逆転させる力はないという事実に直面するだろう」と述べ、FRBが金利をゆっくりと少しずつ引き下げることを推奨している。


    米国経済予測と不景気到来の10のステップ

    グッゲンハイムインベストメントは、今年の年初に2019年~2020年の米国経済予測と不景気到来の10のステップを発表した。現在は③まで進行中である。

    ① FRB利上げ停止
    ② 米国株式市場が新高値をとる
    ③ 債務の拡大とレバレッジの拡大
    ④ 労働市場のひっ迫からFRBが利上げを再開
    ⑤ インフレ懸念で長期金利が3%台に上昇
    ⑥ 利上げで設備投資や住宅投資が鈍化し消費も低迷
    ⑦ 景気後退入り(2020年)
    ⑧ スプレッド拡大でジャンク債市場が混乱
    ⑨ 借入コスト上昇・ジャンク債のデフォルト率が上昇。
    ⑩ 米国の政治的分断


    以下のチャートはセントルイス地区連銀が発表している米国の失業率と景気後退期のグラフである。


    ●米国の失業率と景気後退期(赤枠)
    ③失業率と景気後退 20190917.png
    出所:セントルイス地区連銀


    一目でわかる米国の景気拡大・縮小シグナル

    筆者は米国の失業率のデータから、米国の景気拡大期と縮小期のシグナルを発生させている。


    ●米国の失業率と景気後退シグナル(1984年~2019年)
    上段:米国の失業率(青)
    下段:サイドバー 赤:景気拡大期 青:景気縮小期
    ④失業率と景気後退しぐなる 20190917.png

    米国の景気拡大期と縮小期のシグナルにNYダウのチャートをプロットしたのが、下のチャートである。個人投資家は無理をせず、景気拡大期間だけ、株のインデックスを買っていればよいのではないだろうか。
    景気縮小期は暴落に巻き込まれる確率が高くなるからだ。

    株は買いから入る投資家が圧倒的に多い。しかし、個人投資家は危ないときに無理をして投資すべきではないだろう。


    ●米国の失業率と景気後退シグナルとNYダウの推移
    上段:米国の失業率(青)・NYダウ(緑)
    下段:サイドバー 赤:景気拡大期 青:景気縮小期
    ⑤米国の失業率と景気後退シグナルとNYダウの推移 20190917.png

    上のチャートの下段のサイドバーが赤から青に転換すると、米国経済は景気後退期に入る。今はまだ景気拡大期が続いている。しかし、チャートのサイドバーが赤から青に転換すると暴落への注意が必要となる。

    大暴落に引っかかるとポジションが「塩漬け」になるか、FXや先物取引の場合は証拠金がなくなって、市場から強制退場をくらってしまう。大きな損をすると、投資効率が死んでしまうのだ。重要なのは暴落に巻き込まれないことである。


    ラリー・ウィリアムズの日経平均予測

    米著名投資家のラリー・ウィリアムズは今週のラリーTVで、「数週間前に、フォーキャストラインをラリーTV で公開しましたが、想定通りに、日経平均は上げてきています。フォーキャストラインをご覧ください。かなり精度が高く、事前に動きを予測しています。日経平均も高値を更新していくと思います。具体的なターゲットはありません。おそらく、矢印のポイント辺りでしょう。ロングを保持してください。過去 2 日、3 日間の最安値にストップを置いてください。そのまま、上昇波に乗ってください。」と、述べている。


    ●ラリー・ウィリアムズの日経平均予測
    ⑥ラリー・ウィリアムズの日経平均予測 20190917.png
    出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)2019年9月16日 ラリー・ウィリアムズおよび国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載。有料レポートのため、チャートおよび文章の一部を隠しています。



    日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』

    https://ishiharajun.wordpress.com/

    を参照されたい。




    石原順 プロフィール
    1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のデーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。
    相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。

  • 口座開設費・管理費無料 口座開設
  • 初めての方へ
  • ネット取引 ログイン
  • くりっく365 取引所FX ログイン
  • くりっく株365 取引所CFD ログイン

TOPへ戻る