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「マーケットの最前線」

2019年8月26日

第191回「NYダウの1998年と2019年のアナログモデルチャートの不気味な動き」石原順

石原順 石原順

  • NYダウの1998年と2019年のアナログモデルチャートの不気味な動き

    1998年と2019年のNYダウのアナログチャートモデルが示唆するのは、ここから相場が大きな下落に見舞われる可能性があることだ。1998年はプーチンが米国の金融破たんを狙って画策したロシアの計画的デフォルト(債務不履行)があり、ロシア危機が起こった年だ。ドル/円は147円から108円まで一気に急落し、筆者もえらい目にあった記憶がいまだ生々しく残っている。1998年はロシア債に投資していたヘッジファンドLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)が、オーバーポジション(レバレッジの掛け過ぎ)で破綻し、また日本では1997年から1998年にかけて拓銀・山一などの金融機関がドミノ倒し的に倒産した厳しい経済環境だった。

    ●NYダウ(日足) 1998年と2019年のアナログモデル
    ①NYダウ 1998と2019 20190826.png

    2019年もドイツ銀行の破たんの噂や、GE(ゼネラルエレクトリック)の粉飾会計問題など市場には金融危機のトリガーを引きそうな地雷が沢山埋まっている。


    ●ドイツ銀行(日足)
    ②ドイツ銀行 日足 20190826.png

    ●GE(日足)
    ③GE 日足 20190826.png

    ドイツ銀行とGEの株価の動きは常にチェックしておきたい。



    トランプ大統領が対中国関税を引き上げ!米企業に中国からの事業撤退を要求

    8月23日、中国が対米国の報復関税を発表した。これを受けて、すかさずトランプ大統領が対中国関税の引き上げを発表している。

    第1-3弾2500億ドル分の25%を30%へ、10月1日から
    第4弾約3000億ドル分を10%から15%へ、9月1日(一部は12月15日)から

    トランプ大統領、米企業に中国からの事業撤退を要求
    (2019年8月24日ロイター)

    [ワシントン 23日 ロイター] - トランプ米大統領は23日、米企業に対し中国から事業を撤退させ、米国内での生産を拡大するよう要求した。中国が発表した対米報復関税措置に対する対応策を近く発表するとも言明した。

    中国商務省は同日、対米報復関税を発動すると発表。米国から輸入する750億ドル相当の製品に対し5─10%の追加関税を課す。米国が9月1日から発動を予定する対中制裁関税「第4弾」に対する報復措置とみられる。

    トランプ大統領はツイッターへの投稿で「偉大な米企業に対し、中国の代替先を即時に模索するよう命じる。事業を米国に戻し、米国内で生産することも含まれる」とし、「われわれに中国は必要ない。率直に言えば、中国がいない方が状況はましだろう」と述べた。

    トランプ大統領の発言を受け、ドルは人民元に対し急上昇。米株式、原油相場は下落した。

    トランプ大統領の命令に法的拘束力はなく、実際にどのように米企業を中国から撤退させるかは不明。

    専門家は、税制の変更や制裁などを通じ、中国における米事業を制限、縮小させる可能性があると指摘。しかし、プロセスは長期間を要する可能性があるほか、両国の経済に深刻な影響が及ぶ恐れがあるとした。

    中国で事業を展開する米企業からの連邦政府調達を制限することが、最も効果的な選択肢となる可能性があるとみられる。ボーイング(BA.N)やアップル(AAPL.O)、ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)など、連邦政府の大型調達先で、中国で幅広く事業を展開する企業が大きな痛手を被ることになる。

    ポール・チューダー・ジョーンズは、「注目ポイントは米中の関税問題で、対中国の関税が実施されて 5000 億ドルになったら、米国は景気後退に入る可能性がある。これは、我々が 75 年間経験してないことだ。」と語っている。これで米国景気はまず間違いなく景気後退に入るだろう。パウエルFRB議長大幅な利下げを市場から催促されると思われる。

    「世界的な成長に対するあなたの悲観的見通しの理由はどこにあるのか?」と聞かれた、ヘッジファンドの帝王レイ・ダリオは、

    【まず、われわれは、短期的な債務サイクルの中にある、それはまたビジネスサイクルとも呼ばれる。過去にはこのように債務と支出が大きく膨らんだことはなかった。バランスシートから見れば、そんなことは不可能だと。したがって、減速が見られるだろう。同時に、年金および医療保険の債務はますます期限が近づいている、それは債務が期限を迎えるのと同じように債務と支出を圧迫する。

    第二に、私たちはまた、長期債務サイクルの後半にある。これは、以前に議論したボトルに残った中央銀行の刺激策が不足していることである。

    3番目の要因は、選挙年における政治の二極化であり、これは主に社会主義と資本主義の衝突である。この衝突は伝統的に今日起きている相当な富、収入、機会の格差によるもので、それらはいずれも、資本市場と資本家にとっては良くない政治における大きな変化につながった。例えば、法人税率の引き下げて他の税金を引き上げたことや、あるいは、それはこうした変化につながらないかもしれないが、どちらのケースにおいても、次の景気後退期には裕福な資本家と貧しい社会主義者との衝突は醜いものになるだろう。

    第4の要因は地政学的リスクの増大である。特に中国が引き続き浮上し、多くの分野で米国のリーダーシップに挑戦している。この期間は、1930年代後半に最も類似しており、その時、米国も短期および長期の債務サイクルの終わりにあったため、金融政策には限りがあり、富の差は同様に広く、ポピュリズムが膨張し、英国と米国が世界に対して持っていた力はドイツと日本の新興勢力に挑戦されていた。これらの各要因―借用書が期日を迎えることによってもたらされる下落圧力、刺激する力のない中央銀行、大きな富と政治的な格差、強力な新興世界大国による世界の大国の挑戦、が困難な結果をもたらす。】と、答えている。


    『石原順の日本株トレンドウォッチ』 筆者のブログで毎日2銘柄をピックアップしてチャートを掲載中

    8月から岩井コスモ証券で『石原順の日本株トレンドウォッチ』という新しいサービスが始まったが、予想以上の反響をいただいて筆者も驚いている。

    ●『石原順の日本株トレンドウォッチ』
    ④トレンドウォッチバナー 20190826.png


    強いトレンドが発生している期間は、「上昇トレンド銘柄一覧」か「下降上昇トレンド銘柄一覧」のなかに掲載されるが、新たに売りトレンドや買いトレンドが発生した銘柄には★マークが付くようになっている。投資は自己責任であり、最終的な売買の判断は読者ご自身でしなければならないが、強い買いトレンドや売りトレンドが発生中の銘柄を筆者のトレンド分析に基づいて抽出する『石原順の日本株トレンドウォッチ』が、読者の株式投資の参考になれば幸いである。

    銘柄は引け後毎日夕方に掲載される。

    筆者のブログ『石原順の日々の泡』
    https://ishiharajun.wordpress.com/
    で毎日2銘柄をピックアップしてチャートを掲載しているので、レポートの読者の方はそちらも参照していただきたい。

    このサービスは岩井コスモ証券の顧客限定サービスであり、口座のない方はぜひ岩井コスモ証券に口座を開設してくださるようお願いします。

    (石原順)

    新コンテンツ紹介「石原順のトレンドウォッチ」は口座をお持ちでない方もご視聴可能です。
    ⑤動画バナー 20190826.jpg


    ラリー・ウィリアムズの日本市場予測

    ラリー・ウィリアムズは日本円通貨先物に関してはまだ上値(円高)余地があるとして、円買いのチャンスをうかがっているようだ。

    「フォーキャストライン通りに動いている日本円通貨先物に集中します。実際の展開とラインは数日ずれていますが、予測としては十分な精度でしょう。先週、買いシグナルを探していましたが、金曜日にそれは発動されています。このまま上げてから押されて、そして、再び上昇するでしょう。トレンドのモメンタムが上昇中なので、このまま買われ過ぎ状態が続く可能性もあります。しかし、%R が売られ過ぎになったところで買いたいと思います。すでにロングされている方はストップを●●日の安値においてください。円はまだ上昇の余力が残っています。」と、語っている。


    ●ラリー・ウィリアムズの日本円通貨先物予測
    ⑥LW 日本円通貨先物予測 20190826.png
    出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)2019年8月26日 ラリー・ウィリアムズおよび国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載。有料レポートのため、チャートおよび文章の一部を隠しています。

    円高をみている一方で、日経平均についてはさほど弱気ではないようだ。このあたりが我々にはわかりにくいが、「日本の株式市場はサイクルのボトムに近づいてきています。ここから上昇に転じて ● 月まで上げていくでしょう。日経の短期的な予測によると、一気に上昇してから押されて、その後、● 月まで上昇しています。」と、述べている。

    ●ラリー・ウィリアムズの日経平均予測
    ⑦LW 日経平均予測 20190826.png
    出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)2019年8月26日 ラリー・ウィリアムズおよび国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載。有料レポートのため、チャートおよび文章の一部を隠しています。



    日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』

    https://ishiharajun.wordpress.com/

    を参照されたい。




    石原順 プロフィール
    1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のデーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。
    相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。



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