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2019年7月29日

第187回「8月から岩井コスモ証券で『石原順の日本株トレンドウォッチ』という新しいサービスが始まる!」石原順

石原順 石原順

  • 新コンテンツ『石原順の日本株トレンドウォッチ』

    8月から岩井コスモ証券で『石原順の日本株トレンドウォッチ』という新しいサービスが始まる。


    ●『石原順の日本株トレンドウォッチ』のイメージ画像
    ①トレンドウォッチサンプル 20190729.png

    強いトレンドが発生している期間は、「上昇トレンド銘柄一覧」か「下降上昇トレンド銘柄一覧」のなかに掲載されるが、新たに売りトレンドや買いトレンドが発生した銘柄には★マークが付くようになっている。投資は自己責任であり、最終的な売買の判断は読者ご自身でしなければならないが、強い買いトレンドや売りトレンドが発生中の銘柄を筆者のトレンド分析に基づいて抽出する『石原順の日本株トレンドウォッチ』が、読者の株式投資の参考になれば幸いである。

    銘柄は引け後毎日夕方に掲載される。詳細はサービスの開始前にまた紹介したい。このサービスは岩井コスモ証券の顧客限定サービスであり、口座のない方はぜひ岩井コスモ証券に口座を開設してくださるようお願いします。

    (石原順)

    ②口座開設バナー.jpg



    トランプが選挙対策で側近に対して「ドル安誘導の方策」を探せと命令

    トランプ大統領がドル安を望む姿勢を強調しており、大統領主導でドル売り介入に動くのでは?との見方が広がっている。ニューズウィークやロイターを始め複数の報道が出ているが、ニューズウイークの報道によれば、「トランプは7月に入ってから側近に対して、ドル安誘導の方策を探せと命じた。」という。


    <「強いドル政策」はかなぐり捨てて、再選のために動く可能性>

    ドナルド・トランプ米政権がドル安誘導をする可能性をほのめかしている。過去4つの政権が支持してきた「強いドル政策」を捨てるというのだ。

    トランプは以前から、中国やEU(欧州連合)などが意図的な通貨安でアメリカに輸出ドライブをかけていると声高に非難してきた。そのトランプがドル安誘導も辞さない姿勢に転じたのは、自ら世界の国々に仕掛けてきた貿易戦争の煽りで停滞している米経済の成長を後押しするのが狙いだろう。

    政治的な得点稼ぎのためにドル相場を押し下げたいというトランプの考え方は、何も新しいものではない。複数の報道によれば、トランプは7月に入ってから側近に対して、ドル安誘導の方策を探せと命じた。2020年の大統領選前に景気を押し上げ、再選の可能性を高めるためだ。

    トランプは7月3日のツイートで、中国と欧州は「為替操作ゲーム」に興じていると非難し、アメリカもそれに対抗すべきだとの考えを示した。

    世界的な債券運用会社ピムコは、トランプは今後ドル安誘導に突き進むだろうと確信している。同社のマネージング・ディレクター兼グローバル経済アドバイザーのヨアヒム・フェルズは、トランプやトランプ政権の高官たちは、ドル安への関心を公言してきたと指摘。このことは、連邦政府が今後、為替市場に介入しかねないことを示唆していると彼は言う。

    「主要な貿易国・地域の間でみられる通貨の冷戦は、2018年のはじめから休止状態だったが、いま再燃しつつある」とフェルズは指摘。さらに投資家に対するリポートには、こう書いた。「アメリカをはじめとする主要国の政府や中央銀行が、自国通貨の価値を引き下げる直接介入に踏み切って本格的な通貨切り下げ戦争にエスカレートする可能性は短期的にはないものの、もはや完全には排除できなくなった」

    <「強いドル政策」はかなぐり捨てて、再選のために動く可能性>

    ゴールドマン・サックスおよびバンクオブアメリカ・メリルリンチのストラテジストも、政府による市場介入のリスクは低いが「高まりつつある」と指摘。ゴールドマン・サックスのアナリストたちは、「トランプ大統領の通商政策にはこれまで何度も驚かされてきたので、市場は『何でもあり』の雰囲気になっている」と言う。

    (2019年7月18日 ニューズウィークTrump Considers Weakening Dollar Ahead Of 2020 Elections 「米ドル安誘導の予測、通貨切り下げ競争も排除できず」)


    トランプのドル売り介入観測は、『トランプ政権、7月27日にWSJのドル売り市場介入案も見送り』という報道で否定されている。トランプもドル売り単独介入を本気でやろうとは思っていないだろう。介入で効果があるのは"協調介入"だけであり、トランプのやりたいのは第二のプラザ合意(ドルの切り下げ)である。

    今回の「ドル売り介入観測」はトランプのドル安誘導の第1弾のブラフ(脅し)であろう。トランプは執拗に金本位制論者をFRBの理事に送り込もうとしており(すべて議会の反対にあい消滅している)、今回のジュディ・シェルトンで3人目である。ジュディ・シェルトンも軍産複合体系の多くのメディアから叩かれまくっているが、ジュディ・シェルトンは議会の承認を得て就任する可能性がある。

    金本位制論者のジュディ・シェルトンはFRBのゼロ金利とQE(量的緩和)を以前は批判していたが、トランプの経済顧問である現在は、「FRBは金利を下げ、QEを再開すべきだ」と主張している。この支離滅裂さをメディアは一斉に批判しているが、ジュディ・シェルトンはドルを下げたいからそう言っているのである。トランプが指名しているもう一人の理事候補クリストファー・ウォラーも利下げ論者であり、こうしたFRB理事の人事はトランプがドル安に持っていこうとしている布石とみるべきだろう。


    シェルトンFRB理事候補、月末の大幅利下げ主張=米紙
    (2019年7月23日 ロイター)

     [ワシントン 22日 ロイター] - トランプ米大統領が米連邦準備理事会(FRB)理事への指名を表明しているジュディ・シェルトン氏は、月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な利下げを実施すべきとの考えを示した。米紙ワシントン・ポストが22日報じた。

     シェルトン氏は、50ベーシスポイントの利下げを支持するかとの問いに「支持する。私なら6月の会合で50bpの利下げに賛成していた」と述べた。電子メールで同紙の質問に答えた。

     シェルトン氏は2016年の大統領選でトランプ陣営の経済顧問を務めていた。

     今月30-31日のFOMCでは利下げの決定が見込まれている。

    トランプ大統領はグローバリストではなくナショナリストであり、米国内の仕事が増え、米国の経済が成長すればよいのである。エスタブリッシュメントと言われる既存のエリート達にとっては、トランプの常識はずれな言動は到底我慢ならない考え方だろう。だが、トランプは単純な価値観に基づいて政策を決めている。

    貿易戦争も、トランプ大統領にとってはグローバルの経済やサプライチェーンがどうなろうが知ったことではない。彼が気にしているのは目の前に積み上がった米国の貿易赤字であり、米国の雇用だ。こうした発想の一環にあるのが今回の米中貿易戦争であり、為替相場も貿易戦争のなかに含まれてくる。現在、日本との通商交渉は農産物がメインとなっているが、そのうち自動車と為替に飛び火してくるのも時間の問題だろう。

     日本(安倍政権)にとって悪いニュースは、ボリス・ジョンソンというトランプの盟友が英国の首相になったことだ。これまでトランプの味方は安倍首相しかいなかったが、ボリス・ジョンソンが英国の首相になったことで、安倍首相の存在価値は薄れていく。犬猿の関係のメルケルももう終わりだ。トランプにとっては都合のよい国際政治情勢となっており、今後はこれまで大目に見ていた日本の貿易黒字や為替操作に対する改善要求を迫ってくる可能性が高くなりそうだ。


    米利下げは株買いでいいのか!?

    これまでラジオやレポートで「7月31日のFOMCでの利上げ幅について、利下げ幅が0.5%だとか0.25%だとか外野がうるさくなっている。今の相場は利下げ期待だけで上げているから、そういう議論になるのだ。筆者の独断と偏見の意見を言えば、0.5%でも0.25%でも株は売られるであろう。0.5%なんてやってしまえば、当面金利は下げないので材料出尽くしとなってしまう。0.25%なら催促相場となるだろう。いずれにせよ、株高・ドル高にはなりにくい。ありえないが、仮に利下げを見送れば、失望の株価急落となるだろう。」と書いた。

    高値圏でしっかりはしているが、米国株式市場も決して内容が良いわけではない。S&P500のETF投資は低調で、とても強気相場にはみえない。


    ●SPY ETFの出来高
    ③SPY ETF 20190729.png
    出所:ゼロヘッジ

    またナスダック総合指数はADラインとのダイバージェンス現象が起きており、相場がかなり疲れている様子が窺える。


    ●ナスダック総合指数とADライン
    ④NASDAQとADライン 20190729.png
    出所:ゼロヘッジ

    市場は今回のFOMCでの利下げを「予防的措置」とか「保険」と称してはいるが、アトランタ連銀のGDPNowのGDP予想を見る限り、利下げが保険的なものではない可能性がある。


    ●アトランタ連銀のGDPNow
    ⑤アトランタ連銀 GDPナウ 20190729.png
    出所:https://www.frbatlanta.org/cqer/research/gdpnow.aspx

    ●T-BOND VS FF rate スプレッドの縮小は不景気の到来のシグナルか!?
    ⑥Tbond VS FF 20190729.png
    出所:ゼロヘッジ

    いずれにせよ株価のピークで利下げを行うという前代未聞の政策が市場にどういう影響を与えるのか?運用者は固唾をのんで注目している。現在のバブルがさらに延命するのか、それともFRBの利下げを契機に株価が調整に向かうのか、今年の8月相場からは目が離せない。


    ●FFレート(米政策金利)の推移とバブルの崩壊
    ⑦FFレートとバブル崩壊 20190729.png
    出所:ゼロヘッジ

    ●今の株式市場は歴史的にどういうレベルにあるか?
    ⑧歴史的レベル 20190729.png
    出所:ゼロヘッジ

    ●バブル延命も疲れ果てた株式市場
    ⑨バブル延命 20190729.png
    出所:ゼロヘッジ


    円高の本番は米利下げ以降か?利下げ後の動きに注目!

    2019年に入って長期金利1%も下げているのに、ドルインデックス(ドルの複数の主要通貨に対する、米ドルの為替レート(相場)を指数化した指数)はほとんど下げていない。世界中の中銀が米国に追随して緩和モードとなっているなかドルの金利が相対的にまだ高いからだ。

    長いこう着相場に嫌気が差し、最近では「ドル/円相場は動かない」と観ている投資家は多い。しかし、8月相場は気をつけた方がよいだろう。過去20年、8月は円高の月となることが多いからだ。Equity Clockというサイトには、様々な金融商品の過去20年間のシーズナリーチャートが掲載されている。アノマリー投資を重視する人には必見のサイトである。


    ●日本円通貨先物相場のシーズナリーチャート(過去20年間)
    ⑩日本円通貨先物シーズナリーチャート 20190729.png
    出所:https://charts.equityclock.com/japanese-yen-futures-jy-seasonal-chart

    ●日本円通貨先物相場の過去20年間の平均パフォーマンス
    ⑪日本円通貨先物20年 20190729.png
    出所:https://charts.equityclock.com/japanese-yen-futures-jy-seasonal-chart

    アノマリーだけで投資をしてはいけない。8月に円高になるのであれば、テクニカルが自然にドル売りシグナルを発するだろう。ドル売りを考えているのであれば、それを待っていればいい。


    ●ドル/円(日足)
    ⑫ドル円 日足 20190729.jpg



    ラリー・ウィリアムズの日本円通貨先物予測

    今週のラリーTVでラリー・ウィリアムズは、「日本円通貨先物では買いシグナルが発動するでしょう。%R が売られ過ぎですから、反発が期待できます。また、フォーキャストラインが上昇を示唆しています。少なくても、短期トレードではロングできると思います。●●●● まで上げるかもしれません。日本円通貨先物市場では買いから攻めていくべきでしょう。」と、述べている。

    為替が円高に振れれば、当然日経平均の下げ圧力となる。日経平均の8月相場は、NYダウと為替の動きから目が離せない。


    ●ラリー・ウィリアムズの日本円通貨先物予測
    (日本円通貨先物のチャートは1円あたり何ドルなのか表示されています。チャートは、上昇=円高・下落=円安となります。)
    ⑮LW日本円通貨先物予測 20190729.png
    出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)2019年7月29日 ラリー・ウィリアムズおよび国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載。有料レポートのため、チャートおよび文章の一部を隠しています。




    日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』

    https://ishiharajun.wordpress.com/

    を参照されたい。





    石原順 プロフィール
    1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のデーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファンドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市場に参入し活躍する。
    相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。



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