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「IwaiCosmo Market Topics」

2018年7月12日

有事のドル買いが復活した外国為替市場

 投資調査部 主幹 堀内 敏一 投資調査部 主幹 堀内 敏一

  • 12日午前の東京外国為替市場で、円相場は一時1㌦=112.35円近辺と、1月10日以来約半年ぶりの安値を付けました。米中貿易摩擦激化への警戒が改めて強まるなかで、ドルへの選好が高まっており、いわば有事のドル買いが復活する姿となっています。

    外為市場では、巨額の対外債権を抱える円が安全通貨、低リスク通貨として、危機回避の受け皿とされる局面(「有事の円買い」)が長らく続いていました。それがここにきて様相を異にしてきた背景としては、以下の点が指摘できそうです。


    20180712ドル円相場の推移.png



    まず第一に挙げられるのが、米国の金利が先進国のなかで最も高い水準に位置していることです。世界景気への懸念が高まる際には、新興国・資源国通貨が売られやすくなりますが、その受け皿としてドルの有する安全性、収益性の高さが大きな魅力となっていることは想像に難くありません。しかも、ここにきて米物価に上昇圧力がかかり始めており、米金利先高観が意識されやすい環境となっています。

    先進国通貨間でも、ドルの優位性が際立っています。金融正常化を見通せない状況に陥っている日本円、利上げの時期を巡り当局者間の意見の食い違いが目立つユーロ、利上げは間近とみられるもののEU離脱への不透明感が拭えない英ポント――といった具合です。


    20180712ドル日米独10年債利回り.png


     さらには、トランプ政権がリパトリ減税を実施していることで、米企業の滞留資金の本国回帰の動きを促していることも無視できないと思われます。

    本邦実需の円買い需要が盛り上がりを欠いていることも、円よりドルの選好を強める格好となっている模様です。先般発表された日銀短観6月調査で示された輸出企業の今年度想定為替レートは1㌦=107.26円と3月調査から2円強、円高・ドル安方向に移行しました。想定よりも有利な相場水準にある現在、輸出企業が慌てて円を買い、円高が加速していくというシナリオを描くのは困難といえます。

     加えて、これだけ実勢レートと乖離した状況となれば、輸出企業は余裕を持って先物の円買い予約などによる為替ヘッジを相応に進めている可能性が高いということになります。海外大型企業の買収に伴う円売りニーズの存在とも相俟って、目先的には「円買いを急がぬ本邦実需」という評価は揺るぎそうにありません。 

    日米欧の金融政策スタンスの違いが投機筋の行動に大きな影響を及ぼしていることも見逃せません。「円買いポジション」を積み上げるには、内外金利差分を負担する必要があるため、金利差拡大観測が拭えないなかでは、おいそれとは円買い仕掛けには動けないのが実情とみられます。一方でリスク回避の円買いに結びつきやすい外部環境の不透明感がくすぶる下、潜在的な円買い戻し圧力を高めることになる「円売りポジション」も積極的には積み上げにくく、結果として投機筋の影響力が低下する格好となっているのです。 

     引き続き、円よりもドルが選好されやすい環境が続く見通しですが、投機筋の「円売りポジション」(下図の赤線)の積み上がり状況には留意しておくことが肝要となりそうです。


    20180712ドル円先物の投機筋のポジション.png




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